若い頃の私は、
3000万円くらい資産があれば、かなり安心して生きられる。
そんなイメージを持っていました。
何かあって仕事ができなくなっても、10年くらいは生活できるかもしれない。
ある程度まとまったお金があれば、資産運用をしながら安定して暮らせるかもしれない。
そう考えていました。
お金がない時は、とにかく将来が不安でした。
来月どうなるか分からない。
仕事がなくなったらどうする。
病気になったらどうする。
だから、
「ある程度まとまった資産さえあれば、こういう不安から解放される」
と思っていました。
実際に資産が増えて、3000万円に近いところまで来ると、確かに安心できる部分は増えました。
でも、
不安がなくなったわけではありませんでした。
お金が増えても、不安そのものは消えなかった
お金があることで解決できることはたくさんあります。
生活費。
医療費。
急な出費。
事業の資金。
将来への備え。
この部分については、資産が増えたことでかなり安心できるようになりました。
だから私は、
「お金なんて必要ない」
とはまったく思いません。
お金は間違いなく大事です。
ただ、
お金が増えれば人生の悩みが全部なくなるかというと、そんなことはありませんでした。
人とのつながり。
孤独感。
健康。
仕事のプレッシャー。
生きがい。
幸福感。
こういうものは、お金だけで簡単に満たすことはできません。
むしろ、
会社が成長していくほど新しい責任が増えていきました。
会社経営をしていると、個人資産だけでは安心できない
私は会社を経営しています。
だから、
「個人で3000万円近くあるから安心」
とは単純に考えられません。
会社で大きなトラブルがあれば、最終的には自分が支えなければいけないことがあります。
売上が落ちる。
設備が壊れる。
大きな投資が必要になる。
税金の支払いが重なる。
新しい事業にお金がかかる。
もし会社のお金だけでは足りなくなれば、自分の資産を入れる可能性もあります。
会社と個人は別とはいえ、
自分が経営している以上、
会社が危なくなった時に完全に他人事として見ることはできません。
だから資産額だけを見ても、
「これだけあれば絶対大丈夫」
とは思えません。
組織が大きくなるほど、お金が減る時のスピードも速くなる
会社が順調な時は、お金が増えるスピードも速くなります。
売上が増える。
利益が増える。
人を雇う。
設備を増やす。
新しい事業に投資する。
勢いがある時は、会社がどんどん成長していく感覚があります。
ただ、その反対もあります。
勢いがなくなった時は、
お金が減るスピードもものすごく速い。
人件費はかかります。
家賃や設備費もかかります。
税金もあります。
売上が落ちたからといって、すべての固定費がすぐになくなるわけではありません。
個人で生活しているだけなら、
節約すれば支出をかなり減らせます。
でも会社はそう簡単にはいきません。
組織が大きくなればなるほど、
必要なお金も大きくなります。
これも、資産が増えても安心しきれない理由の一つです。
資産が増えると「減らしたくない」という不安が出てくる
これは少し不思議な話です。
お金がなかった頃は、
「もっと増やしたい」
と思っていました。
でも資産が増えてくると、
今度は、
「減らしたくない」
という気持ちが強くなります。
100万円しかない時は、
100万円を200万円にしたい。
1000万円になったら、
今度は1000万円を守りたい。
さらに増えたら、
もっと減らしたくなくなる。
つまり、
資産が増えれば増えるほど安心するだけではなく、
守るものも増える
ということです。
昔は、
「失うものがないから挑戦できる」
という感覚がありました。
今は、ある程度積み上げたものがあるからこそ、
失うことが怖くなる時があります。
3000万円の次は、5000万円。そして1億円
人間は不思議なもので、
目標を達成すると、次の目標を作ります。
昔は、
「1000万円あれば安心できる」
と思っていました。
それを超えると、
「3000万円あれば」
と思うようになります。
そして3000万円が見えてくると、
今度は5000万円。
さらにその先には1億円。
このままいけば、
安心するための目標額は永遠に上がり続ける
のかもしれません。
もちろん、資産を増やすこと自体は悪いことではありません。
私も今後も資産形成は続けます。
ただ、
「この金額になれば不安がゼロになる」
と考えると、終わりがありません。
不安をゼロにするためにお金を増やすと、終わりがなくなる
私は長い間、
お金を増やす理由の一つに、
「不安をなくしたい」
という気持ちがありました。
でも今は、
不安をゼロにすること自体が無理なのかもしれない
と思っています。
会社がうまくいくか。
健康でいられるか。
人間関係はどうなるか。
将来どんな社会になるか。
自分ではコントロールできないことがたくさんあります。
どれだけ資産があっても、
不安になる要素を完全になくすことはできません。
だから、
不安をなくすためにひたすらお金を増やす
という生き方では、
いつまでも満足できないのだと思います。
「いくらあれば安心か」より「どう暮らしたいか」
最近は、
「資産はいくら必要か」
だけではなく、
自分はどういう生活ができたら満足なのか
を考えるようになりました。
毎月いくらあれば十分なのか。
どれくらい仕事をしたいのか。
どれくらい休みたいのか。
誰と過ごしたいのか。
何に時間を使いたいのか。
こういうことを決めないまま、
ただ資産額だけを追い続けると、
永遠にゴールが来ません。
5000万円になっても、
1億円になっても、
「まだ足りない」
と思う可能性があります。
だから、
自分にとって十分とは何か
を考えることが必要なのだと思います。
お金は安心を増やす。でも安心そのものではない
資産が増えたことで、確かに安心できる部分は増えました。
これは間違いありません。
若い頃のように、
「来月どうしよう」
という不安は減りました。
何かトラブルが起きた時にも、
ある程度対応できる余裕があります。
その意味で、
お金はとても大切です。
ただ、
お金そのものが安心なのではありません。
お金は、安心を作るための道具です。
健康。
人とのつながり。
自分の時間。
仕事との距離。
毎日の満足感。
こういうものが揃って、初めて安心できるのだと思います。
3000万円近くあっても、不安になるのはおかしくなかった
昔の私は、
「これだけお金があれば幸せになれる」
と思っていました。
実際に近づいてみると、
安心は増えました。
でも、悩みがなくなったわけではありません。
むしろ、
お金を守る不安。
会社を守る不安。
健康への不安。
時間への不安。
別の種類の悩みが見えるようになりました。
だから今は、
資産額だけを見て、
「これだけ持っているのに不安になる自分はおかしい」
とは思いません。
お金で減らせる不安と、
お金では解決しにくい不安があるだけです。
これからも資産は増やしたいと思っています。
でも、
資産を増やすことだけを人生の安心の基準にはしない。
いくら持っているかだけではなく、
どんな毎日を送れているか。
そこも同じくらい大切にしたいと思っています。




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