お金が増えても幸福感が増えなかった理由を考えた

お金の悩み

若い頃の私は、

お金があれば、大体の不安はなくなる。

そう思っていました。

実際、今でもお金はとても大切だと思っています。

生活するにも必要ですし、病気になった時にも、家族や大切な存在を守る時にも、事業を続ける時にも必要です。

お金がないことで苦しくなることは、確かにたくさんあります。

ただ、自分自身がお金を稼げるようになって、ある程度貯められるようになってから、初めて分かったこともありました。

お金が増えたからといって、幸福感まで同じように増えるわけではありませんでした。

25歳で会社を作った

私が会社を設立したのは25歳の時です。

その前に3年間、サラリーマンとして働いていました。

ただ、勤めていた会社はいわゆるブラック企業で、私にはまったく合いませんでした。

長時間働くこと自体よりも、

「この働き方を一生続けるのか」

と考えることの方が苦しかったのを覚えています。

そして私は、

もう一生雇われて働きたくない。

そう思って独立しました。

最初に始めたのは学習塾です。

独立する前は、自分で商売をすれば自由になれるような感覚もありました。

ところが、実際にやってみるとそんなに簡単ではありませんでした。

独立して初めて「稼ぐ難しさ」を知った

自分で仕事を始めて最初に感じたのは、

お金を稼ぐというのは、本当に難しい。

ということでした。

サラリーマンなら、会社へ行って働けば毎月ある程度決まった給料が入ってきます。

しかし自営業は違います。

売上がなければ、当然収入もありません。

お客さんが来なければ、自分で集めなければいけません。

来月の売上が保証されているわけでもありません。

独立してから私は、

「安定」という言葉は、自分で商売をしている限りほとんど存在しないのではないか

と思うようになりました。

特に30代の頃は、

「もっと稼がなければいけない」

という意識がかなり強かったと思います。

お金がなければ生活できない。

事業も続けられない。

だからまずお金を作らなければならない。

その考え自体は間違っていなかったと思います。

学習塾以外の事業でも稼げるようになった

その後、私は学習塾だけでなく、アフィリエイトや通販など、いろいろな仕事に挑戦しました。

もちろん、全部がうまくいったわけではありません。

失敗したものもたくさんあります。

それでも長く商売を続けているうちに、少しずつ自分なりの稼ぎ方が分かってきました。

そして、以前では考えられなかったくらい売上を作れるようになりました。

学習塾をしていた頃の年間売上に近い金額を、1か月で売り上げることもできるようになりました。

昔の自分が聞いたら、

「それだけ稼げるようになったら、もう何も不安はないだろう」

と思ったはずです。

私自身も、そう思っていました。

結果は出た。でも、不安はなくならなかった

ところが、実際にはそうではありませんでした。

確かに、お金によって減った不安はあります。

明日の生活費をどうしよう。

突然大きな出費があったらどうしよう。

仕事が少し悪くなったらすぐ生活できなくなる。

そういった種類の不安は、以前よりかなり小さくなりました。

これはとても大きなことです。

だから私は、

「お金なんてなくても幸せになれる」

とは思いません。

お金があることによって避けられる苦労は、間違いなくあります。

ただ、それとは別の問題が出てきました。

仕事を最優先した結果、失ったものもあった

お金がない頃の私は、とにかく仕事を最優先にしていました。

「今は遊んでいる場合ではない」

「もっと事業を安定させなければいけない」

「もっとお金を貯めないと安心できない」

ずっとそんな感覚でした。

その結果、事業では少しずつ結果が出るようになりました。

一方で、友人と会うことは減っていきました。

仕事以外の時間も少なくなりました。

そして気が付けば、結婚について真剣に考える時期もかなり過ぎていました。

もちろん、仕事を選んだことをすべて後悔しているわけではありません。

仕事を頑張ったからこそ、今の生活があります。

ただ、

何かを優先するということは、別の何かを後回しにすることでもある。

40代になって、その意味を強く感じるようになりました。

お金が貯まれば不安は消えると思っていた

昔の私は、

「100万円貯まれば少し安心できる」

「もっと貯まれば、さらに安心できる」

「十分なお金があれば、人生の悩みはかなり減る」

と思っていました。

実際、ある程度はその通りでした。

ところが、お金が貯まり始めると、今度は別のことを考えるようになります。

もっと事業を安定させたい。

もっと資産を増やしたい。

老後は大丈夫だろうか。

会社はこの先も続くだろうか。

今持っているものを失ったらどうしよう。

不思議なもので、

「お金がない不安」がなくなると、また別の不安が出てきます。

人間の悩みは、貯金額と一緒にゼロになってくれるわけではありませんでした。

孤独感は、お金では埋まらなかった

もう一つ大きかったのが、人とのつながりです。

仕事ばかりしていたことで、一人で過ごす時間が増えました。

若い頃は、それほど気になりませんでした。

仕事をしているだけで楽しかったですし、

「今は成功することが先だ」

と思っていました。

ところが年齢を重ねると、少しずつ感じ方が変わりました。

仕事が終わった後に話す相手がいること。

一緒に食事をする人がいること。

どうでもいい話をする相手がいること。

そういうものも、人生には必要なのだと思うようになりました。

孤独感をお金で満たそうと思えば、キャバクラなど、お金を払って人と過ごすサービスもあります。

それ自体を否定するつもりはありません。

ただ私は、

お金を払わないと人とのつながりを感じられないのだとしたら、それは少し寂しいな

と思うようになりました。

欲しかったのはサービスではなく、

自分のことを知っている人と自然につながっている感覚だったのだと思います。

40代になって、健康の意味も変わった

そしてもう一つ、大きく考え方が変わった出来事がありました。

40代に入り、私は帯状疱疹になりました。

それまでの私は、仕事を休まないことをほとんど苦にしていませんでした。

そもそも私は仕事が好きです。

だから、

「仕事ばかりしていてつらい」

という感覚もあまりありませんでした。

むしろ仕事をしている方が楽しいくらいでした。

ただ、体調を崩して初めて、

好きな仕事をしていても、体には疲労やストレスが蓄積することがある

と実感しました。

体がしんどくなると、仕事どころではありません。

お金があっても、体調が悪ければ楽しめることは大きく減ります。

この経験から、私は以前より健康を重視するようになりました。

休むこと。

睡眠を取ること。

ストレスを溜め込みすぎないこと。

今楽しいと感じる時間を持つこと。

以前なら「仕事をしていない時間」と考えていたものを、

今では人生を維持するために必要な時間だと思うようになりました。

「もっとお金を増やす」が目的になっていた

振り返ると、いつの間にか私は、

お金を増やすこと自体が目的になっていた時期

があったように思います。

最初は違いました。

生活するために稼ぎたい。

会社を続けるために稼ぎたい。

将来困らないように貯めたい。

きちんと理由がありました。

しかし、一定のところまで来ても止まれませんでした。

「もう少し」

「あと少し」

「もっとあれば安心できる」

そうやって数字を追い続けていました。

ただ、目標の数字を達成すると、今度はさらに大きな数字が欲しくなります。

これでは終わりがありません。

お金で解決できることは多い。それでも幸せと同じではない

私は今でも、

お金があれば、大体の問題はかなり解決しやすくなる

と思っています。

これは自分の経験からも感じています。

生活、お金のトラブル、住む場所、健康、時間、移動、仕事。

選択肢を増やすという意味では、お金はものすごく強い力を持っています。

だから、お金を稼ぐことや資産を作ることを否定するつもりはありません。

これからも私は仕事をしますし、お金も増やしたいと思っています。

ただ、40代になってようやく、

「幸せになること」と「お金を増やすこと」は同じではない

と実感するようになりました。

お金は、幸せになるための道具の一つです。

でも、その道具を増やすために、

健康を失う。

人とのつながりを失う。

今日という時間を楽しめなくなる。

それでは何のためにお金を増やしているのか分からなくなります。

今は「将来の自分」と「今の自分」の両方を大事にしたい

若い頃の私は、未来を良くするためなら今を犠牲にしてもいいと思っていました。

今頑張れば、いつか楽になれる。

今働けば、いつか安心できる。

それは確かに間違いではありませんでした。

そのおかげで助かったこともたくさんあります。

ただ、今は少し違います。

将来の自分のためにお金を残す。

それと同じくらい、

今日の自分にも少し幸せを使っていい。

そう考えるようになりました。

休む。

誰かと会う。

好きなものを食べる。

散歩する。

仕事とは関係のないことを楽しむ。

人生にはそういう時間も必要です。

お金が増えたのに幸福感が比例して増えなかったことで、私はようやく気づきました。

人生で増やすべきなのは、銀行口座の数字だけではない。

安心できる時間。

健康でいられる時間。

大切な人と過ごす時間。

「今日も悪くなかった」と思える日。

そういったものも一緒に増やしていかなければ、本当の意味では豊かになれないのだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました