事業がうまくいかない時期に、新しい収益源を探し続けてきた話

仕事・キャリア

私は長く会社を経営してきて、

一つの事業が永遠に安定して続くことはない

と思うようになりました。

今うまくいっている仕事も、5年後、10年後に同じように稼げているとは限りません。

自分が何か失敗するとは限りません。

むしろ、自分ではどうすることもできない出来事によって、事業が突然苦しくなることがあります。

景気が変わる。

社会が変わる。

技術が変わる。

法律やルールが変わる。

そして時には、世界規模の出来事によって昨日まで普通にできていた仕事が突然できなくなることもあります。

だから私は、事業がうまくいかなくなるたびに、

「次の収益源を作らなければ」

と考えてきました。

50年続いた会社でも、突然終わることがある

それを強く感じたのがコロナ禍でした。

私の知り合いに、ホテルへ食品を卸している会社がありました。

約50年続いていた会社です。

50年と聞けば、

「かなり安定した会社」

という印象を持つと思います。

ところがコロナでホテル業界が大きな打撃を受けました。

ホテルからの注文が止まり、仕入れも止まりました。

会社には約20人の従業員がいました。

売上が止まっても、当然従業員の給与は必要です。

長年続いてきた会社でも、社会の環境が一気に変わると耐えられないことがあります。

最終的にその会社は事業を続けることができなくなりました。

その姿を見て、

「50年続いていても安全とは限らないんだ」

ということを強く感じました。

私も最初は学習塾一本だった

私が独立して最初に始めたのは学習塾でした。

最初は当然、学習塾の売上を増やすことばかり考えます。

生徒を増やす。

売上を増やす。

教室を安定させる。

でも続けているうちに、学習塾という事業だけでは売上に限界があると感じるようになりました。

そこで、別の事業にも挑戦するようになりました。

その一つが猫カフェでした。

猫が好きでしたし、保護活動にもつながる。

自分のやりたいことにも近かったので挑戦しました。

結果は、

大失敗でした。

思っていたようにはいきませんでした。

ただ、この失敗も無駄だったとは思っていません。

一つの事業がダメなら、また違うことを試す。

そうやって次に通販や輸出に挑戦していきました。

一つがダメになった時、別の事業に助けられてきた

複数の仕事をしていて良かったと特に感じたのが、やはりコロナの時です。

当時、私は輸出の仕事をしていました。

ところがコロナによって国際物流が大きく混乱しました。

飛行機が飛ばない。

商品が送れない。

今まで普通にできていた輸出が、一気に難しくなりました。

輸出だけに頼っていたら、かなり厳しかったと思います。

そこで私は国内通販に力を入れました。

せっかく国内向けの商品を売るなら、

他と同じものを売るだけではなく独自性を出したい。

そう考えて、オリジナルのベジカレーを開発しました。

これがうまく売れてくれました。

輸出が止まって苦しい時期に、国内通販が助けてくれたのです。

この経験から、

一つの収益源に依存しないことの大切さ

をさらに強く感じるようになりました。

売上が悪くなると「次の柱」を探す癖がついた

それ以来、既存事業の売上が悪くなると、

「どうすれば元に戻せるだろう」

と考えると同時に、

「次の収益源を作れないだろうか」

と考えるようになりました。

今の事業を改善することも当然大切です。

でも、それだけでは怖い。

一つの事業が会社の売上のほとんどを占めていると、その事業に何かあった瞬間、会社全体が危なくなります。

だから、

一本の大きな柱だけを作るより、

複数の柱を持っていた方がいい。

そう考えるようになりました。

ただ、事業を増やせば安心できるわけでもなかった

ここにも落とし穴があります。

収益源が増えれば、確かに一つの事業への依存度は下がります。

でも、事業が増えると仕事も増えます。

通販。

輸出。

メディア。

新商品。

それぞれ仕事内容が違います。

考えることも違います。

トラブルも違います。

スタッフに仕事を任せるなら、その仕事内容も教えなければいけません。

頭の中には、

「あれもやらなければ」

「これも確認しなければ」

ということがどんどん増えていきます。

気が付けば、

収益を安定させるために事業を増やしたのに、自分自身は不安定になっている

こともあります。

だから最近は、

「とにかく収益源を増やせばいい」

とは考えていません。

「何でもやる」ではなく、今あるものを使う

新しい事業を考える時に大切なのは、

まったくゼロから知らない分野へ飛び込むことだけではありません。

むしろ、

今すでに自分が持っているものを使えないか

を考える方が成功しやすいと思っています。

特に強いのが、すでにお客様を持っている場合です。

新しいお客様をゼロから集めるのは大変です。

広告費もかかります。

信用を作るところから始めなければいけません。

でも、すでに自分の商品やサービスを使ってくれているお客様がいるなら、

「この人たちは次に何を求めているだろう」

と考えることができます。

今のお客様が困っていることは何か。

どんな商品があれば喜んでもらえるか。

今のサービスに何を加えれば便利になるか。

そこから新しい事業を考える。

この方が、何の関係もない事業を突然始めるよりずっと自然です。

新しい事業には種まきの時間が必要

新しい収益源を作ろうと思った時、

一番難しいのが時間です。

新しい事業を始めたからといって、

翌月から利益が出るとは限りません。

むしろ、ほとんどの場合は時間がかかります。

商品を作る。

仕組みを作る。

お客様を集める。

改善する。

失敗する。

また改善する。

そうやって少しずつ育てていきます。

つまり、新しい事業は、

今日始めて明日助けてくれるものではありません。

種をまいて、育てる時間が必要です。

本当は順調な時こそ、次の柱を作るべき

これは分かっていても、なかなかできません。

今の事業が順調な時は、

「このままいけるだろう」

と思ってしまいます。

売上もある。

利益もある。

仕事も忙しい。

わざわざ新しいことを始める必要性を感じません。

ところが、売上が落ちてから慌てて、

「何か新しいことをしなければ」

と思います。

でも、その時には余裕がありません。

お金も不安。

精神的にも不安。

早く結果を出さなければと焦ります。

そんな状態で新しい事業を始めると、判断も雑になりがちです。

だから本当は、

うまくいっている時こそ、次の種をまいておく

のが理想なのだと思います。

新しい収益源は「もっと稼ぐため」だけではない

新しい仕事を始めるというと、

「もっとお金を稼ぎたいから」

と思われることがあります。

もちろん、それもあります。

私も売上や利益は増やしたいです。

でも長く経営を続けていると、それ以上に、

生き残るために収益源を増やす

という意味が大きくなりました。

一つが100からゼロになったら、会社は大変です。

でも、

40の事業。

30の事業。

20の事業。

10の事業。

という形で収益源が分かれていれば、一つがダメになってもすべてがゼロにはなりません。

収益源の分散は、

攻めるためだけではなく、

守るための経営

でもあると思います。

自分には「複数の小さな柱」が合っている

以前の私は、

一つの事業をものすごく大きくすることに憧れていました。

大きな売上を作る。

大きな会社を作る。

一つの事業で圧倒的に成功する。

でも今は、

少し考え方が変わりました。

私には、

複数の小さな収益源を持っている方が精神的に合っている

ように思います。

一つが悪くても、もう一つがある。

こちらが落ちても、別のものを育てる。

全部が同時に絶好調でなくてもいい。

会社全体として生き残ればいい。

そう考えると、一つの事業の売上が落ちた時にも以前ほど絶望しなくて済みます。

事業が苦しい時に次を探してきたから、今がある

これまで振り返ると、

順調な時より、

事業が苦しかった時の方が新しいことを始めています。

学習塾に限界を感じたから、別の事業を探した。

失敗したから、また別の方法を考えた。

輸出が止まったから、国内通販を強くした。

その時は必死でした。

「次を作らなければ」

という気持ちで動いていました。

でも後から振り返ると、

その時に作ったものが、次の自分を助けてくれています。

だから今は、

事業がうまくいかない時に、

「もうダメだ」

だけで終わらせるのではなく、

「次の柱を作る時期が来たのかもしれない」

と考えるようにしています。

一つの仕事が永遠に続く保証はありません。

だからこそ、

一つに依存せず、

小さく種をまき、

少しずつ育てていく。

それが、長く会社を続けるために私が身につけてきた生き方なのだと思います。

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