休むと自己肯定感が下がる自分に気づいた話

仕事・キャリア

私は長い間、

働いている自分=ちゃんとしている自分

だと思っていました。

仕事をしている日は安心する。

何か前に進めていると落ち着く。

反対に、何もしない日は妙に不安になる。

「今日は何もできなかった」

「こんなことをしていて大丈夫なのか」

そんな気持ちが出てきます。

以前の私は、それを向上心だと思っていました。

でも40代になり、体調を崩して強制的に休むことになってから、

もしかすると私は、休むのが苦手なのではなく、休むこと自体を怖がっていたのかもしれない

と思うようになりました。

自営業になってから「止まったら終わる」という感覚があった

私は会社員を辞めて、自分で仕事をする道を選びました。

自営業には、会社員とは違う自由があります。

何時から働くかも、何を仕事にするかも、基本的には自分で決められます。

その代わり、

誰も自分の生活を保証してくれません。

仕事がなければ収入はありません。

売上が落ちても、毎月決まった給料が振り込まれるわけではありません。

若い頃の私は、

「止まったら死ぬ」

くらいの感覚で仕事をしていました。

もちろん、本当に死ぬわけではありません。

でも当時の自分にとっては、それくらい仕事を止めることが怖かったのです。

周りより成長したい。

もっと売上を増やしたい。

もっと仕事を覚えたい。

将来何が起きるか分からないから、今のうちにできるだけ強くなっておきたい。

そんなことばかり考えていました。

毎日が不安だったからこそ、仕事をしている時だけは安心できたのだと思います。

休もうとしても、頭の中では仕事をしている

当然、そんな働き方をずっと続けていれば疲れます。

だから時々、

「今日はゆっくりしよう」

と思うこともありました。

ところが、いざ休もうとしても休めません。

体はソファーに座っているのに、

「次はどんな事業をしたらいいだろう」

「今の売上を伸ばすには何をすればいいだろう」

「新しい収益源を作った方がいいのではないか」

と、ずっと考えています。

パソコンを閉じても、頭の中では仕事が続いています。

当時の私は、

「ゆっくり過ごすって、どうやってやるんだろう?」

と本気で分からなくなっていました。

休暇を取れば休めるわけではありません。

仕事をしていなくても、頭が仕事モードのままなら、私は全然休んでいなかったのだと思います。

多少体調が悪くても、休む方が不安だった

朝起きて、

「今日は少ししんどいな」

と思うこともあります。

それでも以前の私は、薬を飲んで仕事をすることが多くありました。

なぜなら、体調が悪いことより、

仕事を休むことの方が怖かったからです。

今日休んだら仕事が遅れる。

お客様を待たせてしまう。

売上が下がるかもしれない。

会社がうまくいかなくなるかもしれない。

実際には、1日休んだからといって会社が潰れるわけではありません。

それでも頭の中では、休むことと将来の不安が直結していました。

だから、

「今日は無理しない方がいい」

という体からのサインより、

「仕事をしなければ」

という不安を優先していました。

ある日、帯状疱疹になった

そんな生活を続けていたある日、膝のあたりにできものができました。

最初は大したものではないと思っていたのですが、少しずつ広がっていきました。

皮膚科を受診すると、帯状疱疹と診断されました。

帯状疱疹はさまざまな要因が重なる中で起こるものですが、その時の私は自分の疲労やストレス、休めていなかった生活について初めて真剣に考えるようになりました。

それまでなら体調が悪くても、

「仕事をしながら治せばいい」

と思っていたと思います。

でも今回は、体がついてきませんでした。

体調が戻るまでは最低限の仕事だけをして、それ以外の時間は寝る。

そんな生活になりました。

私にとっては、かなり珍しいことでした。

休めない原因は、仕事そのものだけではなかった

休んでいる間に考えました。

なぜ私は、こんなに休むことができないのだろう。

もちろん仕事があります。

会社を経営している以上、やらなければならないこともあります。

でも、それだけではありませんでした。

私の生活には、仕事以外にも毎日必ずしなければならないことがあります。

私は猫の保護活動をしていて、12匹の猫と暮らしています。

さらに22羽の鶏も飼育しています。

動物の世話には休みがありません。

こちらが元気でも、体調が悪くても、

ご飯は必要です。

水も必要です。

掃除もしなければいけません。

病気になれば病院にも連れていかなければいけません。

仕事なら、

「今日は休みます」

と言えることがあります。

でも、命を預かっていると、完全に休むことは難しい。

自分で選んだことですし、動物たちが悪いわけではありません。

ただ、

仕事と動物たちへの責任を全部自分で背負い続けていたことが、想像以上にプレッシャーになっていた

のだと思います。

「休めない自分」の方に問題があると気づいた

以前の私は、

忙しいから休めない。

仕事が多いから休めない。

責任があるから休めない。

そう思っていました。

でも今振り返ると、それだけではありません。

たとえ時間が空いていても、私は自分から仕事を探していました。

一つ仕事が終われば、次の仕掛けを考える。

事業が少し安定すれば、新しい事業を始める。

売上が増えれば、さらに次の目標を作る。

つまり、

仕事が終わらないのではなく、自分で仕事を終わらせていなかった。

そのことに気づきました。

休めない最大の原因は、忙しい環境だけではなく、

「休んではいけない」

と思っている自分自身だったのかもしれません。

健康第一は知っていた。でも実行できていなかった

「健康が一番大切」

これは誰でも知っていることだと思います。

私も昔から知っていました。

でも、

知っていることと、実際にその通りに生きることは全然違います。

目の前に仕事があります。

売上への不安があります。

会社があります。

お客様がいます。

守りたい動物たちがいます。

そうなると、健康はいつも後回しになります。

「今月を乗り越えてから休もう」

「この仕事が終わってから休もう」

「もう少し安定したら休もう」

そうやって先延ばしにしていました。

ただ、その「もう少し」は永遠に終わりません。

事業をしている限り、新しい問題は必ず出てきます。

だから今は、

健康を守る時間も最初から予定に入れなければ、永遠に休めない

と思っています。

休むことは、生産性を下げる行為ではない

以前の私は、

1日休む=1日分仕事が遅れる

と考えていました。

だから休むことに罪悪感がありました。

でも今は少し違います。

車もメンテナンスをしなければ壊れます。

パソコンもずっと負荷をかけ続ければ調子が悪くなります。

人間の体も同じです。

休むことで1日仕事が進まなくても、そのおかげで今後何年も元気に働けるのであれば、長い目で見ればその方がいい。

だから私は、

休むことは仕事を止めることではなく、長く働くための維持費

だと考えるようになりました。

「何もしなかった日」を失敗にしない

今でも私は仕事が好きです。

新しいことを考えるのも好きです。

だから完全に仕事を忘れてのんびりするのは、今でもあまり得意ではありません。

でも、以前との大きな違いがあります。

昔は、

「今日は何もできなかった」

と思うと、自分の価値まで下がったような気持ちになっていました。

今は、

「今日は休む日だった」

と考えるようにしています。

何もしない。

昼寝をする。

散歩をする。

ぼーっとする。

仕事を早く切り上げる。

そういう日があってもいい。

それは怠けた日ではなく、回復した日です。

今は「休むのも仕事」と考えている

自営業になってから長い間、私は自分を追い立てることで前に進んできました。

不安だったから働いた。

休むのが怖かったから働いた。

誰よりも成長したかったから働いた。

その結果、得られたものもたくさんあります。

だから過去の自分を否定するつもりはありません。

あの時期には、あの働き方が必要だったのだと思います。

でも、ずっと同じ働き方を続ける必要はありません。

20代、30代と40代では、体力も環境も責任も変わります。

今の私は、

働くことと同じくらい、休むことも自分の仕事

だと思うようになりました。

休むことで会社が終わるわけではない。

1日何もしなくても、自分の価値がなくなるわけではない。

健康でいるからこそ、仕事も続けられる。

猫の世話もできる。

鶏の世話もできる。

そして、自分自身の人生も楽しむことができます。

「健康第一、お金は第一ではない」

当たり前の言葉です。

でも私は、自分が体調を崩して初めて、その当たり前の意味を少し理解できた気がします。

これからも私は働くと思います。

たぶん、普通の人より仕事のことを考えてしまうと思います。

それでも、

休める自分になることも、これからの成長の一つ。

今はそう考えています。

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