将来のために生きていたら、今を楽しめなくなっていた

お金の悩み

20代、30代の頃の私は、

今頑張れば、将来は楽になる。

ずっとそう思っていました。

お金が貯まれば不安は減る。

事業が安定すれば安心できる。

資産が増えれば、もっと自由になれる。

だから今は我慢して、とにかく働こう。

そんな考えで長い間生きてきました。

実際、若い頃の私はお金がありませんでした。

毎月の売上に一喜一憂し、

「このままやっていけるのか」

と常に不安でした。

だから当時の自分にとっては、将来への備えを優先することが自然でした。

むしろ、それしか考えられなかったのだと思います。

お金がない時は、毎日が不安だった

会社員を辞めて独立してから、私は安定という言葉をあまり信じなくなりました。

会社員なら毎月ある程度決まった給料が入ります。

でも経営をしていると、来月の売上が保証されているわけではありません。

急に売上が落ちることもあります。

取引先の事情で仕事がなくなることもあります。

思ってもいないトラブルが起きることもあります。

特にコロナ禍の時は、

「この先、事業はどうなるんだろう」

と強く感じました。

実際に、周りで事業を続けられなくなった会社も見ました。

あの経験もあって、

お金があることは、単なる贅沢ではなく事業を守るための防御力

だと考えるようになりました。

自分にお金を使うことが怖かった

そんな状態だったので、私は自分のためにお金を使うことがあまり得意ではありませんでした。

旅行へ行く。

少し高いものを買う。

ゆっくり休む。

仕事を減らして遊ぶ。

そういうことをすると、

「このお金を残しておいた方がいいのではないか」

と思ってしまいます。

会社で何かあったらどうする。

売上が落ちたらどうする。

大きな出費があったらどうする。

考え始めれば、不安はいくらでも出てきます。

だから私は、

仕事をする。

貯金する。

事業を広げる。

資産を増やす。

これらを優先してきました。

将来困らないために、今の自分は少しくらい我慢すればいい。

そう考えていました。

「止まったら終わる」という感覚

私は今でも時々、

止まったら死ぬ

くらいの感覚になることがあります。

もちろん本当にそうなるわけではありません。

でも、自営業を長くしていると、

「何もしなくても来月も同じ収入がある」

という感覚を持ちにくくなります。

特にお金がなかった頃は、もっと強くそう感じていました。

休めば、その分仕事が遅れる。

遊んでいれば、その間に他の人が成長する。

恋愛や友人との時間を優先すれば、事業に使える時間が減る。

だから、

「今は仕事をしよう」

という判断を何度もしてきました。

その結果、旅行も、友人との時間も、恋愛も、何もしない休日も、かなり後回しになりました。

将来のために今を使っていたら、今はいつ来るのか

30代の頃は、

「40代になったら少し楽になっているだろう」

と思っていました。

仕事が安定する。

お金も貯まる。

自由な時間も増える。

そうなったら、もっと人生を楽しめばいい。

でも実際に40代になってみると、

新しい不安があります。

会社を守る。

従業員を守る。

資産を減らさない。

老後のことも考える。

物価も上がる。

税金もある。

将来への不安は、完全になくなることはありません。

そこで初めて、

「いつになったら私は今を楽しむんだろう」

と思いました。

将来のために今日を使う。

明日のために今日を使う。

来年のために今年を使う。

これをずっと続けていたら、

「楽しんでいい未来」

は永遠に来ないのではないか。

そんなことを考えるようになりました。

『DIE WITH ZERO』を読んで考えたこと

『DIE WITH ZERO』という本がベストセラーになったのも、こうした感覚を持っている人が多いからなのだと思います。

私自身も、

将来の安心を優先しすぎると、せっかく貯めたお金を使う機会まで失ってしまう

という考えにはかなり共感しました。

もちろん、お金を全部使えばいいという話ではありません。

老後の備えも必要です。

病気やトラブルへの備えも必要です。

ただ、人生の最後にたくさんお金が残っていても、

「もっと旅行すればよかった」

「もっと人と会えばよかった」

「もっと休めばよかった」

と思うのなら、それは少し寂しいことだと思います。

40代になって、時間の価値が変わった

20代の頃は、時間がたくさんあるように感じていました。

30代でも、

「まだ先は長い」

と思っていました。

でも40代になると、人生の折り返しという言葉を意識するようになります。

そこで初めて、

お金以上に、時間の方が取り戻せない

ということを強く感じるようになりました。

お金は減っても、また稼げる可能性があります。

事業が失敗しても、また作り直せるかもしれません。

でも、

30歳の自分に戻ることはできません。

35歳の夏をやり直すこともできません。

誰かと過ごせたはずの時間も、後から買い戻すことはできません。

そう考えると、

「仕事しかしてこなかったけれど、このままでいいのだろうか」

と思うようになりました。

お金は後から増やせても、時間は戻らない

私はこれまで、お金を失うことをかなり怖がってきました。

でも最近は、

時間を失うことの方が怖いのではないか

と思うことがあります。

もちろん、お金がなければできないことはたくさんあります。

だから仕事をやめるつもりもありません。

資産形成も続けると思います。

ただ、

「もっとお金を増やしてから」

「もっと会社が安定してから」

「もっと余裕ができてから」

と考え続けていると、人生そのものが終わってしまう可能性があります。

今の自分にも時間とお金を使っていい

以前の私は、

将来の自分のためにお金を残すことは正しい。

今の自分のために使うことは贅沢。

そんな感覚をどこかで持っていました。

でも今は少し違います。

将来の自分も大切です。

でも、

今の自分も同じ自分です。

今しかできないことがあります。

今だから会える人がいます。

今だから感じられることもあります。

だから最近は、

休む。

出かける。

人と会う。

好きなことにお金を使う。

そういうことにも、以前より意味を感じるようになりました。

将来を守ることと、今を楽しむことは両立できる

私が若い頃にしてきた選択を、間違いだったとは思いません。

あの頃は本当にお金がありませんでした。

仕事を優先しなければ、今の生活はなかったと思います。

だから、

「貯金なんてしなくていい」

「今全部使えばいい」

とも思いません。

大切なのは、どちらか一方に偏らないことだと思います。

未来の自分を守ること。

そして、

今の自分も幸せにすること。

その両方が必要です。

今は「いつか」ではなく「今」も大切にしたい

私は長い間、

「いつか余裕ができたら」

と考えてきました。

いつか旅行しよう。

いつかゆっくりしよう。

いつか仕事以外も楽しもう。

でも、その「いつか」は自分で作らなければ来ません。

だからこれからは、

将来のために働きながら、

今日の生活にも少し余白を作りたいと思っています。

仕事をする日があっていい。

一日中何もしない日があってもいい。

将来のために貯金する。

でも、今日の自分が喜ぶことにも使う。

40代になってようやく、

人生は将来の準備だけをする場所ではない

と思うようになりました。

未来の安心を作ることも大切です。

でも、その未来にたどり着くまでの今日という一日も、同じくらい自分の人生です。

これからは、

未来の自分を守りながら、

今の自分も置き去りにしない。

そんな生き方をしていきたいと思っています。

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