失敗するのが怖くて、新しいことを始めるのがしんどくなった話

仕事・キャリア

若い頃の私は、新しいことを始めるのがそれほど怖くありませんでした。

もちろん失敗したくはありません。

でも、

失敗したら、そこから学べばいい。

くらいに考えていました。

実際、これまで仕事をしてきて感じるのは、成功した時より失敗した時の方が学ぶことが多いということです。

やってみる。

失敗する。

原因を考える。

少しやり方を変える。

また挑戦する。

それを繰り返しているうちに、

「これはいけそうだ」

という自分なりの勝ちパターンが少しずつ見えてきます。

だから若い頃は、失敗することも含めて経験だと思っていました。

ところが40代になり、以前より新しいことを始めるのが怖くなりました。

挑戦する気持ちがなくなったわけではありません。

むしろ、今でもやりたいことはたくさんあります。

それなのに、

「失敗したらどうしよう」

という気持ちが、以前より先に出てくるようになりました。

なぜなのか考えてみると、自分が守らなければならないものが増えたことが大きいのだと思います。

持っているものが少ないほど、挑戦しやすい

ミニマリストという生き方があります。

物をできるだけ持たず、必要なものだけで暮らす。

私はミニマリストではありませんが、

持つものが増えれば増えるほど、身動きが取りにくくなる

という考えには納得できます。

これは物だけの話ではありません。

若い頃の私は、失敗しても基本的には自分だけの問題でした。

お金を失っても自分が困る。

仕事がなくなっても自分がまた働けばいい。

だから思い切って動けました。

しかし年齢とともに、少しずつ状況が変わりました。

会社があります。

従業員がいます。

お客様がいます。

保護している猫たちもいます。

いくつもの事業があります。

自分一人の生活だけを考えていればよかった頃とは違います。

自分が失敗することで、

自分以外の誰かや何かにまで影響が出る。

そう考えるようになると、以前のように勢いだけで飛び込むのが難しくなりました。

会社は何もしなければ、少しずつ下降していく

ただ、経営をしていると厄介な問題があります。

私は、

会社は現状維持をしようとすると、実際には少しずつ下降していくもの

だと思っています。

商品もサービスも、いつか飽きられます。

競合も増えます。

環境も変わります。

昨日まで売れていたものが、ずっと売れ続ける保証はありません。

だから会社を続ける以上、何か新しいことを考え続ける必要があります。

新商品を作る。

新しい販売方法を試す。

新しい事業に挑戦する。

新しい市場を探す。

頭ではそれが必要だと分かっています。

ところが、守るものが増えてくると、

「やってみよう」

より先に、

「失敗したらどうしよう」

と考えるようになります。

そして何もしなくなる。

でも何もしなければ、今度は事業が少しずつ下降していく。

これは経営をしていて、とても難しいところだと感じます。

2026年、新しくスイーツ工房と養鶏を始めた

私は2026年、新しい挑戦としてスイーツ工房と養鶏を始めました。

どちらも以前からやっていた仕事とはかなり違います。

新しいことを始めるのは楽しいです。

最初は、

「これがうまくいったら面白い」

「こんなこともできそうだ」

といろいろ想像します。

でも、実際に始めると当然のように問題が出てきます。

スイーツを販売するなら、

味だけ良ければいいわけではありません。

保存方法は大丈夫なのか。

配送中に品質が変わらないか。

お客様の手元に届いた商品に問題はないか。

もし品質トラブルが起きたらどうするのか。

考え始めると不安はいくらでも出てきます。

養鶏も同じです。

鶏が病気になる可能性があります。

設備が壊れるかもしれません。

水が出なくなるかもしれません。

鳥インフルエンザなど、自分の努力だけでは完全には防げないリスクもあります。

新しい事業を一つ始めるたびに、

今まで存在しなかった新しい心配事も一つ増える。

そんな感覚があります。

正直、

「こんなことなら挑戦しなければよかった」

と思ったことも何度もあります。

やりたいことをやっていても、プレッシャーはある

私は基本的に、自分がやりたいと思ったことを仕事にしています。

誰かに命令されてスイーツ工房を始めたわけでもありません。

養鶏も自分で始めました。

それでもプレッシャーはあります。

ここで一つ、自分の中で大きな勘違いがあったことにも気づきました。

以前の私は、

やりたいことなら、どれだけやっても大丈夫

だと思っていました。

でも違いました。

好きなことでも責任は生まれます。

やりたいことでもトラブルは起きます。

好きで始めた仕事でも、疲れることはあります。

だから、

「やりたいことだから全部やる」

ではなく、

自分のキャパシティの中で挑戦する

という考え方が必要なのだと思うようになりました。

「挑戦したい自分」と「もう責任を増やしたくない自分」

今の私の中には、二人の自分がいます。

一人は、

「もっと面白いことをしたい」

「新しい事業を作りたい」

「もっと成長したい」

と思っています。

もう一人は、

「これ以上責任を増やしたくない」

「もう十分なのではないか」

「少しゆっくりしたい」

と思っています。

以前なら、

「弱気になるな」

と後者を無視していたと思います。

でも今は、この二つの気持ちはどちらも本当なのだと思っています。

挑戦したい。

でも疲れたくない。

成長したい。

でも全部を背負いたくない。

一見矛盾していますが、40代になった今の自分にとっては、それが自然な感覚です。

昔は「失敗=経験」、今は「失敗=損失と責任」

若い頃は、

失敗=経験

でした。

今は少し違います。

失敗すると、お金を失う可能性があります。

スタッフに影響が出る可能性もあります。

お客様にも迷惑をかけるかもしれません。

だから失敗の重さが変わりました。

特に、人を雇うことについては以前より慎重になりました。

従業員にも当然、自分自身の生活があります。

一度採用した人を、

「事業がうまくいかなかったから、もう仕事はありません」

と簡単に考えることが、私にはなかなかできません。

これは経営者である私自身が必要以上に重く考えている部分もあるのかもしれません。

それでも、人一人を採用するというだけで、

「この人の仕事を作り続けなければ」

という責任を感じます。

昔なら、

「うまくいかなければやめればいい」

と思えた挑戦が、

今では簡単にはやめられないものに感じることがあります。

だからといって、挑戦しないわけにもいかない

では、これからは何も新しいことをしなければいいのでしょうか。

私はそれも違うと思っています。

新しいことを始めなければ、失敗は減ります。

でも成功する可能性もなくなります。

そして何より、私は新しいことを考えるのが好きです。

だから、

挑戦をやめるのではなく、挑戦の仕方を変える

ことが大切なのだと思っています。

最初から大きく始めない

以前より意識しているのが、

できるだけ小さく始めること

です。

最初から大きな設備を作らない。

最初から大量に商品を作らない。

最初から何人もスタッフを雇わない。

まず小さく試してみる。

売れるか確認する。

自分が続けられるか確認する。

問題が起きた時に対処できるか確認する。

それから少しずつ大きくする。

若い頃のように失敗を怖がらないことも大切ですが、

40代の今は、

大きな失敗にならない設計をしてから挑戦する

方が自分には合っていると思います。

撤退するラインも先に決めておく

もう一つ必要なのが、やめる基準です。

新しいことを始める時は、どうしても成功する未来ばかり考えます。

でも実際には、うまくいかないこともあります。

だから、

「ここまで赤字になったらやめる」

「この期間まで試して反応がなければやめる」

「自分の負担がここまで増えたら拡大しない」

といった基準を、元気な時に決めておく。

そうすれば、

「ここまでお金を使ったんだから」

と意地になって続ける可能性も減ります。

撤退は失敗ではありません。

むしろ、

損失を小さく終わらせることも経営判断の一つ

だと思うようになりました。

全部を自分で背負わない

そして今、一番必要だと感じているのはこれです。

私は昔から、

「自分がやった方が早い」

と思ってしまうタイプでした。

でも事業が増えれば、それでは限界があります。

自分一人で全部把握する。

自分一人で全部判断する。

自分一人で全部責任を持つ。

これを続けていると、新しいことを始めるたびに自分の負担だけが増えていきます。

これから挑戦を続けるなら、

仕事を任せることも挑戦の一部

なのだと思います。

挑戦できなくなったのではなく、挑戦の方法が変わった

以前の私は、

「失敗を怖がるようになった自分は弱くなったのではないか」

と思うことがありました。

でも、今は少し考え方が変わりました。

若い頃と今では、置かれている状況が違います。

守るものも増えました。

経験も増えました。

失敗した時に何が起こるのかも、以前より想像できるようになりました。

怖くなるのは、ある意味では当然なのかもしれません。

だから若い頃と同じように、

「とりあえずやってみよう」

だけで動く必要はありません。

小さく始める。

損失の上限を決める。

やめる基準を作る。

人に任せる。

自分のキャパシティを超えない。

そうやって挑戦すればいい。

挑戦しない自分になる必要はない。

ただ、年齢や環境に合わせて挑戦の仕方を変えていけばいい。

40代になった今は、そう考えています。

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